地域コミュニティー

数十年前に、お世話になっていた地域密着型の葬儀社さんでは、見積り書というものが一切ありませんでした。遺族との打ち合わせに使うのは、なんと!小さなメモ帳一冊!!

当家へ向かうにあたり、会社から持っていくのは枕飾り一式が入った風呂敷包みにドライアイス一組(15㎏)、一本樒に・・・社長から渡された小さなメモ帳一冊・・・。

小さなメモ帳一冊に書き溜める内容とは

小さなメモ帳に書き込んでいく内容は、亡くなった方のフルネーム、生年月日、死亡日時、行年(享年)、自宅住所に喪主さんになる方の名前や粗供養品の品名と個数を記入。(訃報紙や礼状に記載するため)

管理人
今と違って粗供養品は5種類(お茶・砂糖・ハンカチ・タオル・テレホンカード)程度

今では、考えられないことですがこれには地域密着型の葬儀社さんだからこそのできたことでした。

自治会長は、地域でお葬式になると葬儀委員長に早変わり

死亡者が出た家には、必ずその地域の自治会長さんをはじめ住職が先に来られ枕経を済ませてから葬儀社へ連絡するという流れが出来上がっていました。

通夜、葬儀、初七日などの時間は、住職の予定や受付に座れる人(5~10人程度)の確保ができる日時を確認後、遺族と住職、自治会長との間ですでに打ち合わせが完了しており、お葬式で使う祭壇などやお供え物(供花・盛篭・樒)・料理の金額などは、自治会と葬儀社との事前契約のもとに取り決められていました。

お寺の人数、粗供養の数や料理数、親族、町内の生花、しきみ、盛り籠などのお供物から、葬儀委員長を筆頭にした焼香順位までもが自治会長が仕切っていた事。

当時、別の葬儀社から移ってきた私はとても”びっくり”しました。

葬儀社の仕事は葬儀式の段取り中心

仏間で寝ている故人にドライアイスを当て枕飾りをセットが終えると居間に通され、打ち合わせが始まりますが、私が机に着座して遺族と葬儀の話しはすることは一切なく、正面に座っている自治会長さんがおもむろに先ほどまで遺族と打ち合わせ済みの内容を記載されたメモ帳を渡されるだけです。

メモ帳に記載されている故人名・故人の生年月日・死亡日時・行年・喪主名・自宅住所などは会葬礼状に印刷するので間違いのないよう漢字の確認(旧字体ではないかなど)を復唱しながら、小さなメモ帳に書き込んでいきました。

お通夜やお葬儀に参列者へお渡しする粗供養品は、どの家も差が出ないようにお通夜はお茶(300円)・葬儀はハンカチ(1000円)と自治会で決まっており必要個数を確認するだけの作業。

この辺りから、集まった近所の男性陣は故人を囲みながら昔話に花を咲かせながら一杯飲んでられました。

お葬式の総額は200万円~300万円!

この地域では、お葬式を出す際、事前に自治会へ葬儀に必要なお金(お寺へのお礼、葬儀社への支払い、粗供養品代、飲食費、親族などのお供え物代など)を先に預けておくことがきめられていましたので、葬儀終了と同時に受付に伺い集金をさせていただいておりました。

いくらぐらいの金額を預かっているのかが気になりお伺いしたら

なんと!!その額!!200万円~300万円とのこと
(※遺族の家計状況なども自治会が全て把握されていることには頭が下がりました。)

それも亡くなった翌日に自治会長に預けすべての支払いが完了後に残ったお金を返金してもらうことがこの地域の習わしであったことに驚いたことを覚えています。

地域コミュニティーが上手く形成されていた時代

当時は、病院でなくなるよりも自宅で看取られることが多く。近所の○○さん家のお爺さん、今日ぐらいが危ないらしいはというのが、井戸端会議で話されていた時代でもありました。

そのような、地域コミュニティが構築されていたからこそ出来ていたこともありこのような形でお葬式ができたことなのだと思います。

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